会社設立後

会社設立と法人税法の関係

2024年12月1日

株式会社などの会社を設立すると法人税法の適用を受けることになります。そして法人税法上、法人を新たに設立した場合には遅滞なく、法人設立届出書を納税地を所轄する税務署長に提出しなければならないと規定されています。

したがって、株式会社を設立して登記が完了したら設立届を忘れず提出する必要があります。

法人税など各種税金の納税義務が発生

ちなみに、法人を設立すると法人税法の適用を受けるということは、所得がでた場合には法人税という税金を納めなければならない義務が発生するということを意味します。これが法人税の納税義務です。

さらには、消費税、法人事業税、法人住民税等、各種税金についても納税の義務が発生します。

所得を隠すとどうなるか

株式会社を設立して所得が出た場合には法人税を納めなければならないのであれば、売上除外、経費水増し等により所得を隠した場合にどうなるか多いに疑問になるところだと思います。

一般論的には、税務調査が入ったら売上除外、売上期ずれ、経費水増し等は重点調査項目であるためチェックされ、当然バレることになります。その場合、過少申告加算税、無申告加算税、延滞税等、各種の罰則の適用を受けることになります。したがって、バレるので辞めましょうってことになります。

租税回避は限りなく

ただし、世の中悪質なことを考える人がいろいろいるもので、さまざまな趣向をめぐらし、租税負担を軽減したり、納税義務を回避する方法を模索している人が多いのも事実です。

中には税理士や会計士、弁護士といった専門家がそういった租税回避を合法であるとして納税者に提案しているケースもあったりします。租税回避は脱税とは異なり違法ではなく合法だ、などともいわれますが、限りなく脱税に近く完全な黒ではないだけで基本的にグレーなものなのでやめましょう。

合法的な租税回避

しかしながら、法人税法をはじめとする各種税法の法律には合法的な租税回避手法を何らかの政策目的がある場合などに制度として設けています。その一つが青色申告です。

青色申告

法人税法には青色申告という特典があり、会計帳簿の保存等を行なうことを要件に、あらかじめ承認を受けておくことで税務上有利な特典が受けられるという、合法的な租税回避制度が設けられています。

青色申告という合法的租税回避制度の適用に際しては青色申告承認申請書を提出することが一つの要件になっています。これはかなり重要な届出となりますので、株式会社を設立した場合には必ず提出しましょう。税理士に株式会社の設立を依頼した場合には、必ず青色申告承認申請書を提出してくれるはずですが、個人で会社設立をした場合には、提出を失念する方が結構多いため、十分に注意が必要です。

青色申告承認申請書の提出が遅れるとどうなる?

設立届の提出漏れだけであれば正直、それほど問題はないのですが、青色申告承認申請書を提出していない、または期限から1日でも遅れてしまうと適用開始年度が翌年からとなってしまうため後々後悔をすることになります。

一般的に、会社を設立すると設立初年度は設備投資を行なったり、想定外な事態が多発して費用がかさむため、創業1年目はだいたい赤字となります。その場合、青色申告の承認を受けて入ればその赤字を翌期以降の黒字と相殺して法人税を計算することができますが(青色欠損金の繰越控除)、青色申告の承認を受けていないと、初年度赤字で翌年たまたま黒字というような場合に、まだ業績が不安定であるにも関わらず翌年いきなりどーんと法人税が課税されてびっくりということになってしまいます。

利益がでているのであるから税金は支払えるはずだから問題ないのではないかと思う方もいるかもしれませんが、会計上、利益は発生主義で計上していきますが、売上が実際に入金されるのは現金商売の業種でない限り、数ヶ月先となります。仮にその会社が2年目から売上高利益率10%とかなり優秀な営業成績をあげていたとしても、その利益に対して法定実効税率最低でも20%くらいの税金をいきなりもっていっていかれてしまうと、簡単に資金繰りが厳しいなんていう事態は起こうるのです。

ただ、その場合には早めに納税資金ということで銀行融資を申し込んでおけば、決算は黒字になっているため銀行は喜んで融資してくれるはずなのでいきなり資金繰りがつかなくなって倒産ということはないはずですが。

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