会社の登記が終わったら、税務署・都道府県・市町村への届出と、社会保険・労働保険の手続きが必要です。なかには、期限を1日でも過ぎると税金面で不利になる届出もあります。提出先と期限を一覧で確認し、もれなく進めましょう。
この記事で分かること
- 設立後に必要な届出の一覧と期限
- 必ず出すべき税務の届出
- 出しておくと有利な届出
- 社会保険・労働保険の手続き
設立後の届出の一覧
| 届出 | 提出先 | 期限 |
|---|---|---|
| 法人設立届出書 | 税務署 | 設立日から2か月以内 |
| 青色申告の承認申請書 | 税務署 | 設立日から3か月を経過した日と、最初の事業年度終了日のいずれか早い日の前日まで |
| 給与支払事務所等の開設届出書 | 税務署 | 給与の支払事務所を開設してから1か月以内 |
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 税務署 | 随時(提出した月の翌月分から適用) |
| 法人設立届(地方税) | 都道府県税事務所・市町村 | 自治体ごとに定める期限(設立から15日〜1か月以内など) |
| 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 | 年金事務所 | 設立から5日以内 |
| 労働保険 保険関係成立届 | 労働基準監督署 | 従業員を雇ってから10日以内 |
| 雇用保険 適用事業所設置届 | ハローワーク | 従業員を雇ってから10日以内 |
必ず出したい税務の届出
法人設立届出書
会社を設立したことを税務署に知らせる届出です。定款の写しなどを添付し、設立日から2か月以内に提出します。
青色申告の承認申請書
青色申告の承認を受けると、赤字(欠損金)を10年間繰り越せる、30万円未満の減価償却資産を一括で経費にできる(中小企業者等の特例)など、税金面で大きな特典があります。期限を過ぎると、最初の事業年度は青色申告ができません。設立後の届出の中で、もっとも忘れてはいけない書類です。
たとえば4月10日に設立し、決算月が3月の場合は、「3か月を経過した日(7月10日)」のほうが早いので、その前日の7月9日が期限です。設立後すぐに決算月が来る場合は、事業年度終了日の前日が期限になるので注意しましょう。
給与支払事務所等の開設届出書
役員報酬や給与を支払う会社は、源泉所得税を納める義務があります。社長1人の会社でも、役員報酬を支払うなら提出します。
出しておくと有利な届出
| 届出 | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 給与の支給人員が常時10人未満なら、源泉所得税の納付を毎月から年2回にできる | 随時 |
| 申告期限の延長の特例の申請書 | 法人税の申告期限を1か月延ばせる(定款で定時株主総会を決算後3か月以内としている場合など) | 適用を受ける事業年度の終了日まで |
| 棚卸資産の評価方法の届出書 | 法定の方法(最終仕入原価法)以外を選ぶ場合 | 最初の確定申告書の提出期限まで |
| 減価償却資産の償却方法の届出書 | 法定の方法以外を選ぶ場合 | 最初の確定申告書の提出期限まで |
| 適格請求書発行事業者の登録申請書 | インボイスを発行する場合 | 設立日から登録を受けるには、最初の課税期間の末日まで |
社会保険・労働保険の手続き
株式会社は、社長1人の会社でも健康保険と厚生年金保険への加入が義務です(役員報酬を支払う場合)。設立から5日以内に年金事務所へ新規適用届を出します。従業員を雇う場合は、労働保険(労災保険・雇用保険)の手続きも必要です。
その他の手続き
- 法人口座の開設:登記事項証明書と会社の印鑑証明書を持って金融機関で申し込みます。審査に時間がかかることもあります。
- 許認可の申請:建設業・飲食業・人材派遣業など、許認可が必要な事業は、営業を始める前に手続きします。
マイナポータルの「法人設立ワンストップサービス」を使うと、税務署・自治体・年金事務所などへの届出をオンラインでまとめて提出できます。
まとめ
設立後の届出は、提出先がばらばらで期限もそれぞれ違います。とくに青色申告の承認申請書は、期限を過ぎると最初の事業年度で特典を受けられません。登記が終わったらすぐに一覧を見ながら進めましょう。法人税と青色申告の関係は、次の記事でくわしく解説します。
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