ひなた
私、最初は従業員を雇わずに1人だけで始める予定なんです。1人社長なら、これまで通り国民健康保険と国民年金のままでいいですよね?社会保険って雇う人が増えてから入るものですよね?
源さん
甘い!甘すぎるぞひなたちゃん!株式会社だろうが合同会社だろうが、法人を作って社長に1円でも役員報酬を払ったら、社長1人でも社会保険(健康保険+厚生年金)は法律上『強制加入』なんだ!
真壁
源さんの言う通り、これは起業家が最も勘違いしやすい罠です。健康保険法第3条および厚生年金保険法第6条により、法人の事業所はすべて『強制適用事業所』となります。年金事務所の調査と加入義務の実態を解説します!
1. 法律上のルール:法人は社長1人でも社会保険強制加入!
- 個人事業主の場合:
従業員が5人未満であれば、社会保険への加入は任意(国民健康保険+国民年金のままでOK)。 - 法人(株式会社・合同会社)の場合:
従業員ゼロ・社長1人であっても、法律上当然に社会保険の強制適用事業所となります。
なぜ逃げられないのか?(法務局と日本年金機構のデータ連携)
昔は「うちは小さな会社だからバレないだろう」と未加入を決め込む会社もありました。
しかし現在は、法務局の法人登記データと国税庁のマイナンバー法人番号が、日本年金機構へ自動的に情報連携されています。
会社を設立して数ヶ月経つと、日本年金機構から「健康保険・厚生年金保険の加入手続きについてのご案内」という黄色や青色の封筒が本店のポストに必ず届きます。
2. 未加入を放置し続けるとどうなる?(最大2年間の遡及徴収)
年金事務所からの督促や立入調査を無視し続けると、以下のペナルティが科されます。
- 強制職権加入(職権登記):年金事務所の権限で強制的に加入させられます。
- 過去2年分の保険料を一括遡及徴収:
過去2年間に支払った役員報酬をすべて再計算され、数百万円単位の社会保険料(会社負担分+個人負担分)が一括請求されます。 - 財産差押え:会社の銀行口座や売掛金が差し押さえられ、倒産に直結します。
3. 唯一の合法的な例外:「役員報酬ゼロ」の場合は加入できない
「売上がまだ立っておらず、社長自身の給料(役員報酬)を0円(無給)にしている」期間中は、社会保険の加入対象となる報酬が存在しないため、社会保険に加入することはできません(この間は個人の国民健康保険・国民年金を継続します)。
役員報酬を月額1万円でも支給し始めた月から、社会保険への加入義務が発生します。
ひなた
データが連携されているから絶対にバレるんですね…!変に隠そうとせず、最初から社会保険料を計算に入れて事業計画を立てます!
真壁
それが一番安全でスマートです。厚生年金に加入すれば将来もらえる年金額も手厚くなりますから、会社の福利厚生として前向きに捉えましょう!