条文テーマ: 会社法第326条・第331条(役員の員数)
ひなた
定款に『当会社の取締役は〇名とする』と書く欄があります。『1名』と書くのか『1名以上』と書くのかで何か変わるんでしょうか?
源さん
『1名とする』って書いちゃうと、後から仲間を役員に増やすときにいちいち定款変更が必要になるんだ!『1名以上』って幅を持たせておくのが賢いやり方だぞ!
真壁
源さんの言う通りです!定款の員数規定の書き方ひとつで、将来役員を増減させるときの余計な登記費用と総会決議を節約できます。詳しく解説します!
1. 定款の文言サンプルと基本ルール
取締役の員数は、旧商法時代は最低3名必須でしたが、現行の会社法では「1名以上」いれば何名でも自由です。
【定款の文言サンプル】
▼ パターンA(幅を持たせる:圧倒的推奨)
(取締役の員数)
第〇条 当会社の取締役は、1名以上とする。
▼ パターンB(上限を設定する)
(取締役の員数)
第〇条 当会社の取締役は、1名以上5名以内とする。
▼ パターンC(員数を固定する:非推奨)
(取締役の員数)
第〇条 当会社の取締役は、1名とする。
2. 【選択基準】なぜ「1名以上」と書くべきなのか?
理由①:定款変更なしで自由に役員を増員・減員できる
「取締役は1名とする」と固定してしまうと、将来優秀なビジネスパートナーを取締役に迎える際、「取締役を2名に増やす」ための定款変更株主総会が必要になります。
「1名以上」としておけば、定款を変更することなく、株主総会の普通決議で役員を何名でも選任できます。
理由②:上限(5名以内など)を設けるべきケース
外部の株主から出資を受けている場合、創業者側の経営陣が勝手に仲間内を取締役に乱立させて支配権を握るのを防ぐため、出資者側から「上限を定款に定めてほしい」と要求されることがあります。
3. 合同会社(LLC)の場合はどうなる?
合同会社には「取締役」という役職は存在せず、出資した社員自らが業務を執行する「業務執行社員」となります。
- 員数の定め:
合同会社の定款では、員数を「1名以上」などと定める必要は通常なく、誰が社員であるかを定款の末尾(社員の出資欄)に記載するだけで足ります。
ひなた
将来人を増やす可能性があるなら、絶対に『1名以上』と書いておくべきですね!無駄な定款変更の手間を減らせて納得です!
真壁
その通りです。中小企業の定款は『1名以上』とするのがもっとも柔軟でトラブルのないベストプラクティスです。